ユリカモメは風使い。人は「空間使い」に。

先週、千葉港から出港する定期観光船に乗ってみました。千葉中央埠頭を40分かけて廻るツアーです。まず、千葉港周辺の整備された様子にビックリ。海が見えるレストランなどもあって、堂々と観光地といっていいような風情です。

中学生の頃、工事現場的なテトラポットだけある寂れた(でもちょっとした探検的な風情もあった)一角で遊んだ頃が信じられないほど。

当日は天気も抜群に良くて、産業まつりや千夜一夜という手作りクラフトの出店者が軒を連ねるイベントもあり、賑わっていました。その流れで船もデッキは人がいっぱい。遊びにきた姪っ子を連れて私もその中の一員に。

久しぶりに船に乗るのと、海から工業地帯を眺めるのを楽しみにしていたのですが、いざ出港してみるともう、鳥に釘付け(笑)。ユリカモメとウミネコが、わさわさ船についてくるんです。40分、ずーっと。


なぜかというと、船内には「かもめの餌」という名目で「かっぱえびせん」が販売されていて、まずはそれが目当てなんですね。餌をやってる人たちと、それをスッと取っていく鳥たちの様子を見てるのが楽しくて、景色はすっかり二の次に。

カモメ類は近くで見るとかなり大きくて、翼も長い広い。なんといっても、船の推進力が起こす風を上手に使ってグライダーのように飛行する様がカッコいい。餌をとるときも風の流れに乗って近づいてくるので、タイミングが合わないときは無理にその流れに逆らわず一旦スルーして、また船尾に戻ってからやってくる。逆の回転寿司のようでした(食べる方が回る)。

餌を取るときはまるで静止しているようで、間近でガン見できます。そして、人の指にクチバシをかけないように、餌だけをきれいに取っていく優雅な様には感心しっぱなしでした。

鳥たちは海鳥なので、飛ぶのに疲れたら途中海でプカプカ浮いて休んでいる。そしてまた飛び立つ。ただ、途中から思ったのは、餌も欲しいでしょうが、風と遊んでるというのもあるんじゃないかな、と。

船がカーブするときは風の抵抗が大きくなる方へ集まっていて、この状態、どこかで見た気がするなと思ったら、イルカやオキゴンドウの群れが船底についているときとすごく似ていました。進む船が起こす水の流れを使って推進力を得るのと、それで遊ぶのと両方の目的でやると聞いたことがありますが、それの空中バージョンじゃないかな。

人も、歩くときや走るとき、もちろん筋肉を使ってその動作を行なっているわけですが、実はそれだけではないんですね。向かい風や追い風以外にも、皮膚の外の空間、外部環境との関係の仕方によって動きやすさも変わります。

身体の膜のネットワークとその張力をONにして、「空間の中での"私"という在り方」に気づくことによって、そのためのセンサーは養われていきます。

カッコよく伸びやかに風を使うカモメたちを見て、改めて、より良い空間使いになりたい!と興奮したひとときでした。


素敵な空間使いの一例です。

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