今、セラピーは平安時代まで遡る

トラウマの世代間連鎖、そろそろ終わるんじゃないだろうか。と言っても、もちろん今週、来週の話ではなくて年単位の時間はかかるだろうけれど。

トラウマを主に扱う身体心理療法、SE™️(ソマティック・エクスペリエンシング®︎)のプラクティショナー 養成トレーニングにアシスタントとして参加するようになってそろそろ3年。自分自身がトレーニングを終了してからは4年が経ちました。

受講生だったときも「トラウマの世代間連鎖」についての講義はあって、個人的には第二次世界大戦の影響 〜 当時の祖父母に、その子供たちである両親に起きたこと、そしてそのことによる私たちへの影響 〜 を自覚しましたが、年々、この世代間連鎖への注目が高まってきている実感があります。

程度の差こそあれ全人類もれなく抱えているであろう「発達性トラウマ」は、誰にとっても扱う理由があるものですが、同時に「親子関係における傷」というのは、関係性が近すぎて冷静に対処するのが難しいテーマでもあります。

そこに、代々引き継がれてきてしまった「世代間トラウマ」というフレームは結構役に立つ。近すぎるタイトな関係にちょっとスペースや距離ができて、俯瞰してみることもできるようになる。つまり、少し扱いやすくなる。

いずれにせよ取り組むのは大変だけど、「世代間」のフレームを用いて発達性トラウマを癒し、そうすると結果的に世代間連鎖を断ち切ることにつながる。たまたま今の時代にいる私たちが、終わらせるときなのかも。面倒だけど!などと考えています。

空前の人気を得た「鬼滅の刃」は、まさにトラウマの世代間連鎖を敬意を持って断ち切っていく話で、読むトラウマ・セラピーでもあるわけですが、あれほどの人気・支持を得たのは、無意識的にでも多くの人にそれが望まれているからではないか?と、ボロボロ泣きながら、何度も漫画を読み返したワタクシは思うわけです。

さらに今年に入って「平家物語(アニメ版)」が放映され、その200年後の話「犬王(映画)」も公開されました(未見ですが大河ドラマ「鎌倉殿の〜」も壇ノ浦の戦いの場面があったそうですね)。♪祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり〜、平家物語を知らなくてもこのフレーズは多くの人が知っているはず。

今、第二次世界大戦よりもっと前だったこの時代からの連鎖を終了させるときなのかもなあ、、と結構真面目に思っています。もちろんフィクションの世界ですが「鬼滅の刃」の鬼の始まり「鬼舞辻無惨」も平安生まれですしね!

アニメ版平家物語を観ていて、戦や政治による悲しい場面とともに、登場人物たちの笑いのある日常、揺れる草木、野の花、海と光が、淡々と地続きで描写されているのが良かった。主題歌「光るとき」がまた素晴らしいのです。

そして(私の誕生日でもあった!)公開初日に2回観て、後日さらにもう1回の計3回観た「犬王」。ネタバレになってもアレですが、まさにそういう話、そういう作品に見えました。祈り、表現、傾聴、昇華、未完了の完了とは?

もう、語り継がなくていいのかもしれません。

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