「できない動き」があったとき

できない動き 。ものすごい複雑だったり、ものすごい力や柔軟性が必要とされることでもなく、とっても簡単(に見える)なことなのに、動きの起点を変えると、ビックリするくらいできなかったりします。例えば、

足首を曲げたり伸ばしたりする
=>> ①足の「甲側」を起点にやる、②「かかと(足裏)」を起点にやる

足の裏でボールを転がしてみる
=>> ①足首で転がす、②膝を起点にして転がす、③股関節を起点にして転がす

①も②も③も、「全部同じくらいにやりやすい」方は、なかなかいないんじゃないかと思います。全く動かせないパターンもあると思います(私はあります)。ロルフィング®のセッション中には、この「ビックリするくらいできない動き方」を提案することが結構あります。

そのときのクライアントの反応は様々です。「できなくて、ただ落ち込む方」「繰り返し練習してできるようにしようとする方」「こんなやり方もあったのか!と発見を嬉しく思う方」「できないけど、別に困らないからいいや、という方」などなど。

私自身は「こんなやり方もあったのか〜!と発見を嬉しく思う人」でした。

「特別なストレッチやなんかでなく、こんな簡単(に見える)な動作の、自分のやり方とは違う方法なんて、提案されなければ気がつかない。『できない』ということは、『できるようになる(かもしれない)』 ことで、『できるようになったら』 、あんなことも、こんなことも、できちゃうかも!? 」なんて、すごく楽しかったのです。

ですので、この仕事を始めてから「できなくてただ落ち込む方」や「できない理由をいろいろ説明しようとされる方」がいらっしゃることを知って、正直ショックで驚きました。ロルフィング®のセッションは、テストや試験ではありませんよ〜。そして、ただ「やってあげる/やってもらう」ものでもありません。

クライアントの求めるゴールに対応するために、できないことを繰り返していただくこともあります。でも、その目的は「今までとは違う動きをしようとすると、身体の他の部分はどうなるか」に意識を向けて、「身体全体のつながり(身体の中の動きのバケツリレーのようなもの?)」と、「そのつながりを妨げているもの(リレーを中断しちゃうところ?)」にちょっとずつでも気づいてもらうこと、「ご自身の、その途中の状態」を知っていただくことなどです。

※「途中の状態を知る」のは、分析したり仕組みを理解することではありません。ボンヤリでもハッキリでも、身体で知ること。「こんな感じ」と感覚することです。

「その途中の状態」を自分で知ると、それだけで「できて」しまうこともあります。そうでなくても、もっとゆっくりやってみるとか、中断しそうなところでちょっと待ってみるとか、試してみるアイディアも生まれるかもしれません。もしかすると、そもそも必要ないものだったと気づくのかもしれません。

「できない動き」がでてきたら、自分の身体を知るチャンス!と捉えていただけると嬉しいです。こういう説明などナシに意図が伝えられるセッションができるように、私も工夫、試行錯誤、精進します。

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