映画「野火」を見て

見てる間も今も、胸焼け中です。ところどころ思考停止、感覚を閉じずには見られなかった。吐き気はしないけれど、喉が焼けるような感覚。が、飽きることも眠ることもなく、(ところどころシャットアウトしつつも)ぐいぐい引き込まれて見てしまった一時間半。

「戦争の悲惨さを訴える」映画とも思えなかった。「戦争のバカバカしさ、意味のわからなさ」はある。こんな状況、誰が得するんだろうとか。熱帯の島の自然はすごいなあ(恐ろしいほどの、むせかえるほどの生命力)というのも。戦時下でも通常営業だもんね(あたりまえ)。

以下は自分メモです。爽やかなものではないし、ネタバレもあります。




戦時中でも熱帯の植物は元気いっぱい。鳥も蝶も飛んでるし、空は晴れて眩しい。海もある。そこで負傷兵や死体がごろごろしていて、腐敗も速いよなあと思う。コンポストをやっていると、さばいたあとの魚の骨や内臓、鶏の骨の周りに残った肉や腱などの組織、肉の脂身などは、ものすごく早く分解されるのがわかる。

蛆がわいた身体が映されると、直視できない。けれど、蛆たちにとっては普通に食物で、それはおかしいことじゃない。芋よりタバコとか、生きる本能と嗜好と社会性。食欲についてと不食について。生き残っている二人組の社会性。だから生き延びていたのか。

例えば自然災害によるものだったらわかるかもしれない。けれど、この状況を人がわざわざ生み出しているというのが滑稽だし、腹立たしい。

人を大量に殺しつつ、同時に野戦病院で助けること。海に行けば塩気も魚もあるけど行かれないこと。バカバカしすぎる。もし自分だったらどうするか?と、下手に考えるのは危険だとも思った。諦めてすぐに死にそうかなあ。とか。

このような状態が「トラウマ」にならない人は珍しいと思うが、これ、どう回復するのか。忘れずにいて、でも大丈夫でいられる、ってどんな感じなんだろう。ブーゲンビリアが嫌いになりそうだけど、大丈夫になるのかな。少し前に見た「ルック オブ サイレンス」もインドネシアの熱帯風景だったな、など。

とりあえず吐き出しておきます。

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