リース作りとロルフィング10年

セッションルーム近くのカフェ(*)で開催されたリース教室に行ってきました。

*この Cafe stand はお気に入りで、クライアントさんにもお勧めしているお店です。

先生が、主に野山で採取してきた素材を用意してくださっていて、その中から各々が好きな素材を選んで好きな形にしていくというやり方。どうしたらいいかわからなかったり、もっと良い方法はないか?と思ったときにアドバイスを仰ぐという自由なクラスでした。

まず、用意された素材が素敵すぎる。可愛くて美しい。クリスマスっぽい針葉樹系、大小の松毬類、そのほか枝もの数種(紅葉で赤く染まった葉のついたものも)、立ち枯れのアジサイ、赤、白、緑、グレーなどの木の実(これがもう、改めて見ると天然のアクセサリーと言える美しさ)、シダなどなど、見るだけでうっとり、選ぶのに悩むものがずらりと並ぶ。

蔓性の植物でできた土台となる輪っかはあらかじめ準備されていたので、まずはその中から好きなものを選び、好きな素材をからめて本体をしっかり作っていき、あーだこーだと位置を決めて飾りを挿したりやり直したり、グルーガンで固定したりして仕上げていく。

全て天然素材なので土台の形もまん丸ではないし、葉がついてたりなかったり、草性の緑色だったり木性の茶色だったり、全部違う。そこからして面白かったです。

使いたいと思った好みのパーツと土台の感じが合うとは限らない。その辺は考えずに「土台」と割り切って思ったように盛っていくのもありだと思うし、土台に合う素材を選んでいったら、どんな形のものが出来上がるだろう?という楽しみ方もできる。

重力方向に垂れてたのがわかる木の実の房や枝葉を、リース上でもその向きを活かすか否か。植物をふんわり優しく潰さないように扱おうと思いつつも、土台はきゅっとしっかり締めることも大事。ちょっとしたカーブやヒゲのような蔓に松毬が思いがけずうまい具合に収まったり、同じ緑色でも微妙にグラデーションがあってアクセントになったりチグハグになったり。

最初は「自分好みのリースを作ろう!」と思っていたけれど、途中から素材の植物に作らされているようにも思えてくる。もちろん野山にあったときとは違う場所で、人によって違う形に再構築されているのですが、どちらか一方だけの都合ではなくて共同作業、、つまり植物とのセッションになっていたんですね、いつの間にか。

それって、ロルフィングでもSE(ソマティック・エクスペリエンシング)セッションでも似たようなことは起こっていて、一応、ロルフィングの「レシピ」に沿った各セッションの目的というものはあるし、「自律神経系の波を整える」というSEセッションの目的もあるけれど、いずれもクライアントさんの反応によって流動的に進んでいくものでもある。

会社員だったその昔、社内の華道部に参加していたことがあるのですが、その先生は生徒が生けたお花をあまり直さなかったんです。だいたい「一本だけ向きをちょっと変える」とかその程度で。そして、たったそれだけでお花全体の印象がいきなり変わるということに毎度驚いていたんですが、先生は、生徒もお花も活かしてたんですねぇ、、。

ロルファー(ロルフィング施術者)養成トレーニンング中、"Less is more" という言葉を聞いて華道の先生のことを何度か思い出していましたが、リース作りをしながらそんなことも思い出していました。

ものすごく素敵な素材も実は庭で剪定したときに捨ててしまうものだったり、野山にワサワサあるものだったり、道端にも生えてる雑草だったり、公園にいっぱい落ちてる木の実だったりするわけで、、ちょっと意識してみるだけで見えてくるものも、自分にとっての価値(意味)も変わる。

自分自身の身体に対する態度も同じことが言えるんですよね。先月、ロルファーに認定されてから丸10年を迎えたのですが、図らずも初心に戻るような時間でもありました。

魅力的な天然素材が用意され、自分自身が好きなものを選び、好きなように手を動かしつつ、試行錯誤できて、困ったときには助けを求めることができる。センスも居心地も良い場所で、きれいなものを創る。ときおり隣や向かいの人とお喋りしながら。美味しくかわいいおやつもいただきながら。

この状況 ↑ は、改めて振り返ると「自律神経系の調整」という観点から、まさにいちいち全てが意味ある理想的なセラピーですよ、、って、ものすごーく無粋な話になっちゃいますが。リース作り恐るべし。

なぜそうなのか興味のある方は「ポリヴェーガル理論」でググってみてくださいね。

初めてのリース作りは予想以上に面白く、「外に飾ると鳥に木の実を食べられちゃうことがあります」というアドバイスがかわいくてツボでした。先生も素材も場所もおやつもびっくりするほど素敵でいい時間でした (^^) 。



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