三原順の漫画を思い出した

先日の、「助けをもとめる」ことの大切さについてあれこれ考えていたときに思い出したのが、三原順(漫画家。"三原順子" にあらず)でした。すでに故人となられてしまっているのですが、「はみだしっ子」、「Sons」などの代表作があります。

絵柄が濃くて、セリフが多く(ある意味、くどく)、舞台も日本ではないので、とっつきやすくはないと思うのですが(実際、小学生の頃は、連載されていた「花とゆめ」では読み飛ばしていました)、一旦、物語に入ってしまうと、セリフの応酬が好きで好きでたまりませんでした。

「はみだしっ子」は、4人の孤児の話。最初はわりと気軽に読める風でしたが、途中からむちゃくちゃシリアスになり(でも、いつでもユーモアもあります)、その辺からどんどん引き込まれていきました。

「Sons」は、事情により両親がいなくなって、実母の両親(本人の祖父母)を"両親"として育った男の子の話。考えてみたら、私の思考回路は彼女の作品に相当影響を受けてますね、、うだうだ考える(という表現は適切とは言えませんが)のが好きな感じとか(爆)。

以下、ネタバレとなってしまうので、これから漫画を読もうという方はご遠慮いただきたいのですが、、



「はみだしっ子」は、身も蓋も無い言い方をすると、13巻(kindle版は6巻)かけて、一番面倒くさい長兄が、「助けを求めることができるまで」の話です。

20歳前頃、長兄の面倒くささにめちゃくちゃシンパシーを抱きながら読んでいて、最初、ラストで「えっ?これで終わり??」と思ったのですが、しばらく経って状況を飲み込めるようになって、グレアム、よかったな。ジャック、スゲーな、、と。昨日、久しぶりに読み返してみたのですが、やっぱり、すげー、、ってなりました。ジャックがすごく好きです。

「Sons」は、身も蓋も無い言い方をすると、7巻(kindle版は4巻)かけて主人公が自己の存在を承認するまでの話。主人公が実父と対面するシーン、実父の息子(主人公)に対する態度が、やっぱり、すげーな!、と(笑)。本当によかったです。ちなみに、この実父と実父の兄を足して二で割ると「はみだしっ子」のジャックに近いかも。

両作品とも、そこまで詰めるのか、、?という馬鹿真摯さがとても好きです。そして、うだうだうだうだやってきて、最後にあるのが、あれは救いというのでしょうか。とても温かいもの。信頼とか愛とか言うんでしょうかねえ。。

さて、三原順には絶筆となった作品があります。「ビリーの森、ジョディの樹」。悪意の無い殺人(加害者は、いわゆるサイコパスとはちょっと違います)に対する態度が描かれています。作者の描くラストを見ることができないのが残念でなりませんが、私ならどうするだろう?というお題をもらった感じです。未だ完結できませんが。

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